こんにちは、
飯田です。

今月(10月)の名古屋レッスンで、
衝撃的な出来事がありました。

静止画・動画のデータをまとめて保存していた、
USB接続の外付けHDD(6TB)のデータが、
すべて消えてしまった!

しかも、
容量が6TBである筈なのに、
2TBしか認識していない!・・・というもので、

私の6TBのHDDの中身は、
どうなっちゃったの?

なんで6TBの容量が2TBに減っちゃたの?
というご質問をいただいたのです。

今回の事例はどなたにも当てはまることですので、
念のためにお知らせしておきます。

今回のキーワードは
『回復ドライブ』です。

まずは貴方に覚えて欲しいことを
お伝えします。

『回復ドライブ』という文字がPCに現れたら、
必ずキャンセルをしてください。

宜しいでしょうか。

大事なことですので、
もう一度繰り返します。

『回復ドライブ』という文字が
貴方のPC画面に現れたら、

回復ドライブが何なのかご存じの方、
そして意識して回復ドライブを作成するのだ、
という方以外は
必ず『回復ドライブ』をキャンセルしてください。

それでは、
回復ドライブについてお話ししますね。

貴方がお使いのPCの調子が悪くなったとき、
それを根本的に直す方法は幾つか考えられます。

1,PCメーカーが用意しているPCのリカバリー
2,Windowsの機能から、システムの復元
3,Windowsの機能から、システムの回復
4,バックアップソフトを使ったPCの復元

通常は上記の方法だと思います。

ところが、
Windows10からは回復ドライブという機能が追加されています。

これはUSB接続のデバイス、
つまりUSBメモリとかUSB接続の外付けHDDに
Windowsの回復イメージを作る機能です。

これを作っておくと、
PCが不調なときにこのUSBデバイスからPCを起動し、
表示された手順を進めていくと
正常なPCの状態に戻るという仕組みです。

とても素晴らしい仕組みですね。

しかしながら、
その作成手順には大きな落とし穴が隠れているのです。

回復ドライブを作成する先は
USB接続されたデバイス、

すなわち
USBメモリあるいは外付けHDDになります。

そして、
回復ドライブを作成する手順としては、

回復ドライブの作成先が、
フォーマットされるのです。

フォーマットすなわちデータをすべて消してから、
Windowsのイメージが記録されるのです。

「フォーマット」という言葉にピーンと来た貴方なら、
私がお伝えしたい内容がお解りかと思います。

貴方は膨大な静止画・動画データを
バックアップも兼ねて大容量の外付けHDDに
保存しています。

そして、
このUSB接続の外付けHDDが
PCに接続されている状態で
PCを操作していました。

すると、
何かの拍子に、

『回復ドライブを作った方がいいですよ!』
『一ヶ月に一回は回復ドライブを作成することをお勧めします』

というメッセージがPCに表示されました。

このとき貴方は、
PCのデータのバックアップを
Windows10が勧めてくれたのだと
勘違いしてしまったとします。

そこで表示されるように、
「次へ」、『次へ』と、
手順を進めてしまいました。

その結果はどうなったかというと、
6TBのデータがフォーマットされてしまい、
すっかり消えてしまいました。

更には、
6TBの外付けHDDは、
何故か2TBの容量になってしまったのであります!!

えっえ~、そんな!涙・・・という状況です。

少しややこしい話ですが、
付いてきてください。

物理HDD(ハードディスクドライブ)には、
パーティションテーブルという規格があり、
それにはMBRとGPTという2つの規格があります。

この違いは、
扱える容量の違いになります。

MBRというのは昔からある規格で、
扱える容量が2TB(2,000GB)迄となります。

そして2TB以上の容量を扱いたいときは、

GPTという規格を使います。

新品の部品としてのHDDを使うときは、
まずパーティションテーブルを
MBRにするかGPTにするかを決めてから、

その後にFATとかNTFSとか

exFAT等の形式でフォーマットしてはじめて、
データを保存することが出来るHDDになるのです。

回復ドライブを作成するためのUSBデバイスは、
パーティションテーブルがMBRである必要があります。

6TBのHDDは容量が2TB以上ですから、

そのパーティションテーブルはGPTです。

だから今回のケースのように、

パーティションテーブルがGPTである
6TBのHDDに対して
回復ドライブを作成しようとすると、

その作業の中で、
まずパーティションテーブルが、
GPTからMBRに変換されます。

その後にフォーマットが行われ、
更にWindowsのイメージが

記録されるという仕組みとなっているのです。

因みにですが、
バッファローとかIOデータ等の外付けHDDは、
すでに上記の操作、

パーティションテーブルの作成と
フォーマットが為されているので、
PCに接続するとすぐに使用できるのでした。

さてここで、
回復ドライブの
作成手順を記しておきます。

『スタート』→『Windows管理ツール』→『回復ドライブ』

001.jpg

回復ドライブの作成画面が表示されるので、
『次へ』をクリック。

002.jpg

ここで16GB以上のUSBメモリ若しくは、
16GB以上のUSB接続の外付けHDDが必要だと、
アナウンスされます。

しかも、
データはすべて削除されると
注意喚起されます。

USBデバイスが接続されていると、
下図のキャプチャ画面の『次へ』が
クリックできるようになりますので、
クリックすると回復ドライブが作成されます。

003.jpg

大事なところですので、
繰り返して記します。

上図で「次へ」をクリックすると、
USB接続されているデバイスのデータは
すべて削除されてしまいます。

ですので、
敢えて回復ドライブを作るというのでなければ、
上図のいずれかが画面に表示されたら、
必ずキャンセルしてください。

今回はここまでとします。
お疲れ様でした。

めっきり寒くなった長野県諏訪より
山梨の飯田拝

追伸:
今回の場合では、

6TBのHDDに入ったデータは、
全てなくなっても良いとのことで、
データを失う代わりに、
きちんと6TBのHDDとして使用できれば、
それだけでも有り難いとのことでした。

6TBのHDDは
回復ドライブが作成されたことにより、
2TB、2TB、2TBと3つの領域に
分割されてしまっていいたので、

それぞれの領域を開放して
一つの領域としてから、

コマンドプロンプトのDiskpartコマンドを使って

MBRからGPTに変換を行い、
NTSFにてフォーマットしたところ、
新品時の6TBのHDDに戻りました。

受講生さんは大喜びです。

データを救出することは
出来ませんでしたが、

1レッスン(100分)の中で
作業を終了できたことが、
せめてもの救いでありました。

イイダのレッスンは、
VEGAS Proを使っての動画編集を
主たる内容として行っています。

しかしながら、
PCを使うと言うことは
マシントラブルなどが必ずついて回ります。

ですので、

可能な範囲においては
出来る限りのPCサポートも行っています。

このPCサポートも
レッスンコンテンツの一つです。

PCソフトを使っていて、
調子が悪いときは、

たいていソフトメーカーに問い合わせますね。

すると、
ソフトメーカーは答えます。

そのようなトラブルは、
PCメーカーにお問い合わせください。

次にPCメーカーに問い合わせると、
Windowsの問題だと思われますので、
マイクロソフトにお問い合わせくださいと
答えられるのです。

次にマイクロソフトに問い合わせると、
ソフトメーカーにお問い合わせ下さいと
答えらるのです。

堂々巡りで解決しないのです。

これが一般的な状況です。

だから「イイダのレッスン」は、

その為にもあるのでした。

山梨の飯田

VEGAS Proのソースネクスト公式の講師の「山梨の飯田」こと飯田和佳と申します。 約15年に渡ってソニーブランドの頃からVEGAS Proでの動画編集の講師に携わっております。 お気軽にご相談ください。もちろん内容によっては有料ですが。。。 ご興味ある方はパーソナルレッスンもご好評いただいておりますので お問い合わせ下さい。

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2件のコメント

よよよです。 · 2019年10月19日 PM 11:36

ウィンドウズ8.1で良かったです(笑)

山梨の飯田 · 2019年10月20日 AM 2:18

よよよさんへ
飯田です、こんにちは。
とてもポジティブな捉え方で、
素晴らしいです!
お人柄が偲ばれます。

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